やすり材料の話
やすり材料について
やすりに使わている材料は、主として合金工具鋼鋼材JISG4404のSKS-8と同等以上の鋼材です。
やすり材料は、断面形状が多種多様(80種類以上)で少量ロットなため、一般的な棒材や板材を利用できません。
そのため圧延材を使用するのですが、その熱間圧延材を生産している工場が全国広しといえども、仁方の町に一社しかありません。
しかもやすりの材料は、昔から角(かど)の精度が厳しく、量・コストとのかねあいで他ではなかなか出来ません。
やすり材生産で培われたノウハウで、熱間圧延の常識では考えられない大変難しい形状でも生産できます。
弊社でも、そこで生産された鋼材を自社製品に使用するだけでなく、販売させて頂いています。
ただし、12本組全種は(組やすり)、同じ合金工具鋼JISG4404のSKS-8を使用していますが、熱間圧延材ではなく冷間引き抜き材を使用しています。
やすり材の化学成分規格値(%)は下記の通りです。(JISG4404のSKS-8と同等以上)
C SI MN
1.35-1.45 0.10-0.25 0.25-0.40
P S NI
max0.030 max0.030 max0.15
CR
0.50-0.70
通常どのような鋼にも必ず含まれている5元素があります。それが上記のうちのC・SI・MN・P・Sです。
C(炭素):鉄(FE)にCを加えると、強い鋼になります。(切削工具であるやすりの材料には無くてはならないものです。)
CR(クロム):鋼の硬さを増し強くするのに無くてはならない元素です。やすりの切れ味が増し、しかも切れ味が持続する役割を担ってくれます。
SI(珪素): 溶鋼中の酸化物を除去します。
MN(マンガン): やすりの焼入れ性を増してくれます。
P(リン): 硬さ強さを増しますが延性を下げ好ましくない元素です。
S(イオウ): 鋼をもろくしますので、P同様あまり好ましくありません。
世界的に鉄鉱石が不足し石油が上がっている昨今、
多品種少量のやすり材がコスト的にも急高騰し、
注文量が小量なため、なかなか出来にくい今日この頃です。
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