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2007年3月23日 (金)

蹄鉄

桜の季節になりました。よもやま話にも書かせていただきましたが、私は桜が大好きです。毎年この時期になると心わくわくします。それと桜といえばもう一つ血が騒ぐものがあります。競馬の桜花賞です。ここから4才馬のクラッシクレ-スが始まります。よく”競走馬は人間が造った最高の芸術”といわれていますが、本当に生で見る競走馬は美しいんです。よくあんなに細い4本の脚で人間を乗せて高速で走れるものだと思います。目の前を一瞬のうちに通り過ぎていく。文字通り疾風のごとく。長嶋さん流に言えば”ウ-ンBeautiful!”。そんな競走馬にもヤスリが一役買っているのを皆さんご存知ですか・・・・?古くからの格言に”蹄なくして馬なし”という言葉があります。その大切な蹄の使い減りや保護のために蹄鉄があるのです。元来馬の蹄は非常にデリケ-トなもので、蹄の裏側にものが刺さったり傷つけたりするとうまく歩けなくなったりするんです。私達人間様の爪と同じなんですね。そんなデリケ-トな部分に釘を打ち付けて蹄鉄を固定さすのです。よく考えたと思いませんか。デリケ-トな部分に釘で固定。人類はすごいですね。その鉄の金具の調整を行うのにヤスリが使われています。この調整がうまくいかないと、馬も早く走れなくなる。昨年タ-フを疾風のごとく駆け抜けて引退したデ-プインパクトは、蹄が薄くてこの蹄鉄の固定には釘が使われてないとの事。あんなに酷使する蹄鉄をボンドで付着させてよく落鉄しないものです。またまた人類はすごい。 ちなみに私の好きな競走馬はカブトシロ-とエリモジョ-ジ。カブトシロ-はビデオでしか見たことがありませんが、勝っても負けてもバカヤロ-。期待されると後ろのほうでバッタリ。今日はこんだろうと思うと大がけ。かたやジョ-ジ君といいますと、これまた気まぐれジョ-ジといわれ、いつ走るか走らんjかがよめない。何かこの2頭、人間をおちょくっとるようで非常に面白い。なぜか私めはこのジョ-ジ君とは馬券のほうでも相性が非常によかった。馬が自分と似ているからか、自分が馬に似ているかは定かではありませんがなぜか彼の気持ちがよめる、人一倍愛着がある競走馬でした。あのときのジョ-ジ君の蹄鉄のメンテナンスにも、弊社のヤスリが使われていたのかもしれない?ふとそんな思いがしてくる今日この頃です。

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2007年3月19日 (月)

焼鈍炉

 ”ヤスリが出来るまで”のところで紹介されていますが、ヤスリの目立て加工をする時に通常の材質の硬さではタガネがもたない為、材質を軟らかくする工程があります。その工程を焼鈍といいますが、業界では一般的に”なまし”といっています。この時、火の温度が高すぎると脱炭(業界では”あま”と言っています)が発生し、逆に温度が低いと余り軟らかくならず、後の目立てで苦労します。以前はすべて重油炉で行っていたのですが、この温度管理が非常に難しい。2.0mx1.5mx1.5mの小さい炉なんですが、この中に日によって色々な種類の物をロ-テ-ションで焼鈍していくため結構難しい。温度計で管理しているのですが、重油で行うため火の上げ具合下げ具合の調節が難しい。最高800度近い温度の中で、一番微妙な時間帯の温度が5度以上狂うと後の工程の効率に手間がかかる。簡単そうで誰にでもすぐに出来ない非常に大切な第一歩なんです。昔の人は炉内の火の色だけで温度が分かる。温度計はあくまで確認の為。今の40歳台以下の世代の人にはなかなか難しい。将来のことを考えると、どうしても電気炉に変更しないといけない状況になってきたのです。今の電気炉は、ヤスリの種類によってそれぞれ温度管理できるもの。よく出る商品のものは、種類ごとに指定されたボタンを押すだけ。便利といえば便利なんですが、何か職人技が無くなるようで少し寂しいような気がするときがあります。技術を次の世代に伝えていく時、伝える側・受け継ぐ側にも情熱・理想・夢が無いと難しいということを痛感している今日この頃です。

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